春へ

月曜日、随分と会っていなかった人と会った。

彼はモックンと皆から呼ばれており、その昔うだつの上がらないメロコアバンドでドラムを担当していた経歴を持つ。

昨年、父親になったらしく、家庭を持つ男の威厳を見せ付けられ完膚なきまでに俺のダメ人間ぶりを痛感させられるのかと思いきや、俺にとってはいつまで経ってもモックンはモックンでしかなく、一緒に回ったツアー中にミウラ君のテレコを無意識に盗んだ彼そのものだった。

 

全く別の生き方を選んだとしても、思いがけないタイミングで再会の機会は来る。

経過した時間は気にならない。

只々フラットな状態で話をしたり、煙草を燻らせたり、グラスを傾けたり。

人の縁はそう簡単に切れない。

故になかなか巡っては来ない。

求め合うわけじゃなく、ただなんとなく繋がっていく。

そう考えていた二十代を経て、そんな簡単なもんじゃないことも最近は解ってる。

酒を飲んでは下半身を露出していた彼が、スーツを腰上まで上げ、俺なんかじゃ幾ら説明されても十年は理解できないような機器を売り歩いているらしい。

そんな彼に酒を鱈腹ゴチソウになり、帰路に着いた。

いい夜だった。

 

翌日、胃の調子がここ2、3週間思わしくないので仕事を早く切り上げ病院へ。

医者の推測ではあるが、どうやら胃が大層なダメージを負っているらしい。

酒と煙草を暫くの間やめるように、と言われたのだが止められるとやりたくなるのは人として当然の衝動で、今日もキリキリと悲鳴を上げる胃に反しプカプカと煙を吸っては吐いている。

 

そんな本日、雨が降っていたので久し振りにスニーカーを携えて家を出る。

スニーカー特有のフィット感が最初は妙に気になったが、慣れればとても歩きやすい。

水たまりに映った曇天の空を幾つも破壊しながらイイ気になって歩いていたら、いつの間にか靴下まで濡れていた。

アホかと。

 

それにしても最近、NZMはよく頑張っている。

俺は基本的に、彼には些か不潔な印象を持っているのだが、どんな人間であれ真剣な姿は美しいものである。

 

明日からは三連休。

リハーサルや曲作り、作詞に酒。

兎に角イメージを膨らます休日にしたく思っている。

 

そして、なんだかよく分からないが、最近ライブが待ち遠しくて仕方ない。

三年前くらいまでは考えられなかったことだ。

 

寒さに身を竦める季節は終わりなのだ。