雪の降る町

約7、8年振りに関東圏以外でライブをした。

あまり表立って活動をしていない俺たちをツアーに誘うバンドなんかこの世にはいないと思っていた。

むしろ、それが普通だと思うし、それぞれ年を取って情や仲間意識だけではバンドなんて続けていけない現状を理解した上で、俺たちみたいな無名で積極性の無いバンドを自分達の大事なツアーに誘ってくれたことが嬉しかった。

メインアクトである彼らのステージを見ながら、本当に色んなことを思い出して泣きそうになった。

そこは大人なので、沸き上がる感情を完全に制圧することに成功したのだが、なんか本当ジーンときた。

本当はバンド編成で行きたかったのだが、俺たちの初動が遅れたことと、それぞれのスケジュールの都合などからwonderwander二人きりでのライブになった。

正直、期待よりも不安の方が大きくて、土曜の夜の新宿駅の時点では少し憂鬱になっていた。

でも終わってみれば「行けてよかった」と思えている。

考えてみれば、一つの物事を忘れるには十分すぎるほどの時間が経っていたし、またあのステージでやれるとも思っていなかった。

それでも、大勢ではないけれど忘れないで待っていてくれた人達がいて、実際話した時はとんだ悪態をついていたけど、嬉しくて有難くて、そうでもしていないと涙腺が破壊されそうな気がした。

俺達は、だらしなくて消極的、引っ込み思案で甘ったれではあるけれど、wonderwanderに関しては、これでも一応真剣にやっている。

そのライブを観てもらえて「よかった」「楽しかった」と言ってもらえることは、すごく感動的なことだなと。

これから先も、まず優先すべきは自分達の充実、いわゆる自己満足である姿勢に変わりはないと思うけど、その延長線上に、昨日のような素晴らしい再会があると信じて、これからも細々と続けていこうと思う。

この歳になって好きなことをやっていると、得るものより失うものの方が多い。

でも得たもの一つ一つは、俺の中でとてつもなくデカイ。

 

俺は特別な人間じゃない。どちらかと言えば底辺寄りだ。

そんな俺が大それたことを歌っても説得力があるわけがない。

 

どこまでも平凡を歌っていけたらと思う。

 

トミー、イッセイ、ワカイ、ケイゾー、サブ、本当にありがとう。